日本にとって戦後80年の節目の年である2025年は、イタリアにとっては「解放」80周年の年となります。日本と同盟国であったことから、イタリアは日本では敗戦国とイメージされることもあります。しかし第二次世界大戦末期に北部を中心にドイツ軍と戦ったイタリアでは、戦後、自らで「レジスタンス」を通して成し遂げたナチ・ファシズムからの「解放」こそが顕彰されてきました。他方、そのレジスタンスをどのように捉えるかは、その時々の社会で同時代的な意味を帯びつつ、今なお争われ続けています。それはまさに記憶の戦争とも呼ぶべきものです。本講座では、イタリアのレジスタンスを振り返り、それをめぐる戦後の記憶の変遷について、直近の動向も含めて読み解いていきます。 全2回 <各回テーマ>※各回テーマは予定です。変更になる場合もございますので、予めご了承ください。 5月:レジスタンスとその記憶――20世紀後半まで 6月:レジスタンスとその記憶――21世紀から現在まで
秦泉寺 友紀:和洋女子大学国際学部教授 1973年神奈川県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。在イタリア日本国大使館専門調査員等を経て現職。専門はイタリア社会論。共訳書キャロル・ヘルストスキー著『イタリア料理の誕生』(人文書院、2022年)。
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