平安時代末期に書かれた『とりかへばや物語』を、くずし字のテキストを用いて読み進めています。主人公は男装の麗人で、その兄も女装しているため、一風変わった物語の世界が展開します。 現在は全四巻の物語のうち、本来の姿を取り戻した兄弟が、それぞれに栄華を掴んで大団円を迎える最終巻を読み進めているところです。
辛島 正雄:九州大学名誉教授 1955年山口県出身。徳島大学教養部講師、九州大学教養部助教授、九州大学文学部教授などを経て、2021年3月定年退職。専門は、日本古典文学研究。とくに平安後期から中世にかけて成立した作り物語の史的変遷を注釈的研究と連動させて、立体的に解明することを目指してきた。著書に『中世王朝物語史論』(2冊、笠間書院)、『御津の浜松一言抄』(九州大学出版会)、『在明の別残月抄』(九州大学出版会)、『中世王朝物語全集9 小夜衣』(笠間書院)、共著に『新日本古典文学大系26 堤中納言物語・とりかへばや物語』(岩波書店)などがある。
とりかへばや 第3分冊 (和泉書院影印叢刊)2200円 を各自ご用意ください。
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