天下を統一して古代中国の戦国時代を終わらせたのは秦の始皇帝ですが、その始皇帝という男を作ったのは呂不韋でした。大商人だった呂不韋は「奇貨居くべし」の経営哲学で、秦王国の末端の不遇な王子(始皇帝の父親)に投資。この投資は大当たりでした。呂不韋は外国出身の商人でありながら秦王国の宰相となり、まだ少年だった始皇帝(当時はまだ秦王)をささえ富国強兵を進めました。呂不韋は、始皇帝の実父だったという説もあります。しかし始皇帝(当時はまだ秦王)は成長すると呂不韋をうとんじて罷免。失脚した呂不韋は追いつめられて自殺します。人間関係こそ最高の投資対象と考える中国人の人生哲学を体現した呂不韋の成功と破滅を、豊富な図版を使い、予備知識のないかたにもわかりやすく解説します。(講師・記)
加藤 徹:かとう・とおる 明治大学教授 1963年生まれ。東京大学文学部、同大学大学院で中国文学を専攻。広島大学総合科学部助教授を経て、現在、明治大学法学部教授。著書:『京劇』(中公叢書・サントリー学芸賞)、『漢文力』(中公文庫)、『西太后』(中公新書)、『漢文の素養』(光文社新書)、『貝と羊の中国人』(新潮新書)、『怪力乱神』(中央公論新社)、『梅蘭芳 世界を虜にした男』(ビジネス社)、『中国人の腹のうち』(廣済堂出版)、『東洋脳×西洋脳』(共著・中央公論新社)などがある。
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