令和の時代も7年目に入りました。令和の日本はこれからどうなるのでしょうか。なかでも象徴天皇制度はどうなるのでしょうか。平成から令和への改元が異例の改元となったのは、歴代内閣が安定的な皇位継承の問題を先送りしてきたからです。すでに約60年前の政府の憲法調査会の報告書が「皇位継承資格者たる皇族の数が少ないこと」の問題を指摘しています。その後の約60年の間に議論していれば、国連の女性差別撤廃委員会から皇室典範の改正を勧告されることもなかったはずです。象徴天皇制度は象徴天皇と国民の相互作用によって機能します。象徴天皇制度の過去を振り返りながら、現在の状況を確認したうえで、未来を展望することがこの講座の目的です。(講師・記)
井上 寿一:いのうえ・としかず 学習院大学教授 1956年生。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程、同大学助手を経て学習院大学教授。2014年〜2020年3月まで学習院大学学長。博士(法学)。専攻は日本政治外交史。著書に『危機のなかの協調外交―日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社・吉田茂賞受賞)、『昭和史の逆説』(新潮新書)、『吉田茂と昭和史』『戦前昭和の社会』『第一次世界大戦と日本』『昭和の戦争』『戦争調査会』(講談社現代新書)、『政友会と民政党 - 戦前の二大政党制に何を学ぶか』(中公新書)、『理想だらけの戦時下日本』(ちくま新書)、『日本外交史講義 新版』(岩波テキストブックス)など多数。
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