これまでは幕府VS薩摩藩・長州藩といった対立抗争史に偏重していた幕末史を、「日本人はいかに欧米列強に対峙したか」というグローバルな観点から紐解きます。ペリー来航後、朝廷、幕府、薩摩、長州それぞれの「世界観」はどのように変わったか、攘夷決行の裏で極秘裏に進行していた薩長による「海外留学生政策」や欧米列強との「武器・軍艦密貿易」の実態、「ロンドン薩長同盟」やロンドン外交など、従来の幕末史では顧みられなかった重要な事実を史料から明らかにします。なぜ日本の近代化が猛烈なスピードで成し遂げることができたのか、日本の近現代史のスタートとなった幕末期の実相に迫ります。(講師:記) 【今期の予定】 4.長州藩の世界観A ―航海遠略策から即時攘夷 5.薩摩藩の世界観@ ―島津斉彬・久光に見る現実主義 6.薩摩藩の世界観A ―生麦事件と薩英戦争の真相 【全体の予定】 1.幕末以前の日本人の世界観 ―日本型華夷帝国・後期水戸学 2.和親条約と通商条約 ―未来攘夷と即時攘夷 3.長州藩の世界観@ ―吉田松陰の対外思想 4.長州藩の世界観A ―航海遠略策から即時攘夷 5.薩摩藩の世界観@ ―島津斉彬・久光に見る現実主義 6.薩摩藩の世界観A ―生麦事件と薩英戦争の真相 7.幕末「武器・軍艦貿易」―輸入利権をめぐる幕薩対立 8.使節団・留学生が見た世界と「日本人の海外渡航禁止」の解禁 9.長州ファイブの誕生 ―「生きたる器械」という使命 10.薩摩藩の留学生政策 ―五代友厚と薩摩スチューデント 11.ロンドン薩長同盟 ―留学生サークルの存在 12.薩長留学生のロンドン外交 ―英国公使を動かした実相 【参考図書】 町田明広著[『グローバル幕末史 幕末日本人は世界をどう見ていたか』](https://www.soshisha.com/book_search/detail/1_2632.html)(草思社)
町田 明広:まちだ・あきひろ 昭和37年(1962)生まれ、長野市出身。日本近現代史(明治維新史)研究者、神田外語大学外国語学部教授・日本研究所所長・学長補佐。 明治維新史学会理事、博士(文学)。著書に『幕末文久期の国家政略と薩摩藩―島津久光と皇政回復』(岩田書院、2010年)、『島津久光=幕末政治の焦点』(講談社選書メチエ、2009年)、『グローバル幕末史』(草思社、2015年)、『歴史再発見 西郷隆盛 その伝説と実像』(NHK出版、2017年)、『薩長同盟論』(人文書院、2018年)、『新説 坂本龍馬』(集英社インターナショナル、2019年)、『新説の日本史』(共著、SBクリエイティブ、2021年)、増補改訂版『攘夷の幕末史』(講談社学術文庫、2022年)、編著『幕末維新史への招待』(山川出版社、2023年)、『人物から読む幕末史の最前線』(集英社インターナショナル、2023年)他
・各回の内容が変更になりました(2025/3/10記) ・Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。