672年、壬申の乱に勝利した大海人皇子は飛鳥浄御原宮で即位し、遷都の地を新たに求めるとともに、氏族の身分を整備する八色の姓を制定し、位階制を改訂しました。また、大宝律令へと継承される律令の整備、『古事記』・『日本書紀』に継続する国史の編纂を始めました。このように、律令国家へと大きく転換する天武天皇紀下巻を精読しつつ、考古学的成果を合わせて考えます。
岡田 登:皇學館大学名誉教授 1952年生まれ。歴史学者、考古学者。専門は、日本古代史、日本考古学、神宮史。皇學館大学文学部教授を経て現職。1974年皇學館大學文学部卒業、皇學館大學大学院文学研究科博士課程退学、皇學館大學助手、皇學館大學史料編纂所所員、皇學館大學専任講師、皇學館大學助教授、皇學館大学文学部教授を経て現職。 著書(共著):『四日市市史第3巻史料編考古2』(四日市市、1993)、『磯部町史』(磯部町、1997)、『紀勢町史』(紀勢町、2001)、『多度町史 資料編』(多度町、2002)、『伊勢市史第6巻考古編』(伊勢市、2011(自著)『大倭(日本)国家の成立と伊勢の大神宮』(登龍舎、2017)。