ガラスの製造は、少なくとも今から3600年以上前のメソポタミア地域に起源すると考えられています。ガラスの魅力はカラフルな色合いや透明感で、ビーズのような小さな製品から始まって、様々なものが作られるようになっていきました。日本列島でのガラスの出土は、縄文時代晩期のガラス玉にさかのぼり、弥生時代になるとその数は増加し、古墳時代になると玉以外にガラス器も出土するようになります。国産ガラスの製造は7世紀後半の飛鳥時代に始まりますが、高度な技術を要するガラスのうつわは、その後もしばらくは輸入品でした。第1回「ガラスの来た道」講座では、西から東アジアへと伝わったガラス器とその出土遺跡についてお話します。
大谷 育恵:京都大学白眉センター特定助教 1981年生。2014年3月、金沢大学大学院人間社会環境研究科を学位取得(文学博士)、修了。奈良文化財研究所、国立民族学博物館などを経て、現在京都大学白眉センター・特定助教(配置先:人文科学研究所)。専門は東アジア地域の考古学。
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