中国では、長い分裂の時代を経て、589年に隋が南北を統一しました。それまで周辺の諸国は、中国の南北対立の状況を利用した外交を進め、それぞれの生き延びる道を模索していましたが、ひとつの中国と向き合い、対峙する形勢になります。そこから起きる東アジアの大変動について考えます。朝鮮三国の高句麗・百済・新羅は、隋・唐や日本を巻き込んだ形での改編が進み、新羅が半島をなかば領有するようになります。その過程と結果を具体的にみていくシリーズの第4回は、高句麗の「長安城」と「三京」について、お話しします。『隋書』高麗伝には「長安城」と「三京」という語が見えます。どちらも『隋書』が初見で、「長安城」は平壌城の別名です。「三京」は、王都平壌城に、国内城と漢城とを加えた呼称であり、平壌城以外の二つは、いわば副都です。隋代の高句麗の王都と副都について解説します。 (オンライン講座を併設します。オンライン受講の受付はWEBのみ)
田中 俊明:滋賀県立大学名誉教授 1952年生。京都大学文学部卒業、同大学大学院文学研究科博士課程認定修了。堺女子短期大学講師・助教授を経て、滋賀県立大学助教授・教授。2019年3月退職。『大加耶連盟の興亡と「任那」』吉川弘文館、『古代の日本と加耶』山川出版社、『韓国の古代遺跡1・2』『高句麗の歴史と遺跡』(ともに東潮との共著)中央公論社。
持ち物:筆記用具 教材として資料をお配りする場合、実費をいただきます(1枚20円)。 ※設備費は、教室維持費です。
講座開始の30分前に開場します。教室へは、12:30以降にお越しください。