南北朝時代の初期を理解する史料として、『太平記』と双璧をなすのが『梅松論』です。『梅松論』は足利方に属する人の手によって叙述されたもので、鎌倉時代のあり方から筆を起こし、建武4年(1337)に新田方が拠る越前金ケ崎城が落ちるまでのことを記しています。『太平記』と違って中国の故事をひくこともなく、またあまり物語性も帯びていません。そのため軍記物語としての評価は低いものの、逆に歴史史料としての価値は高いとされています。一般的にはあまり知られておらず、こうした講座類でも取り上げられることが少ない『梅松論』。この機会に『梅松論』の世界に触れてみましょう。(講師・記) ※2025年4月開講。1年で学びます。各回テーマがありますので、途中受講歓迎です。 <カリキュラム(予定)> 【第1期】今期:2025年4月〜6月 第1回:梅松論という史料、将軍の来歴 第2回:鎌倉時代の政治情勢 第3回:後醍醐天皇の動向 【第2期】2025年7月〜9月 第4回:鎌倉幕府の滅亡 第5回:建武の新政と中先代の乱 第6回:足利と新田の対立 【第3期】2025年10月〜12月 第7回:京都合戦ー入京と敗退 第8回:足利尊氏の九州落ち 第9回:筑前多々良浜合戦 【第4期】2026年1月〜3月 第10回:足利勢の東上と湊川合戦 第11回:山門と京都の攻防戦 第12回:天下平定と足利兄弟の人物評
角田 朋彦:1969年生まれ。駒澤大学大学院人文科学研究科博士後期課程満期退学。現在、瓜生山学園京都芸術大学非常勤講師。専攻は日本中世史。いくつかの自治体史に携わったことで、地域に視点を据えて歴史を見ることに主眼を置いている。ほかに街道歩きの講師も務めており、実際に各地を歩くことで歴史地理的な視点で地域を見ることもテーマとしている。共編著に『武蔵武士団』(吉川弘文館)、『相模武士団』(吉川弘文館)、『南北朝遺文 関東編』(東京堂出版)、『金沢北条氏編年資料集』(八木書店)など。
■毎回、プリントを配布する予定です。 <参考文献>梅松論/源威集 (新撰日本古典文庫 3)
Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。