「建築の見方がよくわからない」「どこが凄いのかわからない」という皆さんに向けて、建築のプロがわかりやすくその魅力を解説します。講師は「[東京建築アクセスポイント](https://accesspoint.jp/)」のメンバーで、毎月交代で登場します。昭和の巨匠たちの名建築を取り上げる講座です。(和田講師:記) [4月17日 丹下建三](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7918742) 担当:岸佑(青山学院大学、立教大学、東洋大学ほか非常勤講師) 「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を最初に受賞した日本人建築家が丹下健三(1913-2005)です。第二次世界大戦中にデビューし、終戦後は日本各地の復興都市計画に関わります。丹下の名前が世界に知られたのは、広島の平和記念公園。1964年の東京オリンピックでは代々木体育館を設計。1970年の大阪万博では主会場の建物を手掛けました。それ以降は海外での活躍が増えますが、1991年の東京都庁舎で再び日本の建築界に大きなインパクトを与えます。丹下はひとつの建築を都市的・国家的スケールから考え続けた建築家でした。日本近現代史に伴走した丹下健三の建築家人生を、代表作品をご紹介しながら振り返ります。(講師:記) [5月22日 菊竹清訓](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7918743) 担当:磯達雄(建築ジャーナリスト/オフィス・ブンガ、桑沢デザイン研究所非常勤講師、武蔵野美術大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師) 菊竹清訓は1960年代に興った建築運動「メタボリズム」の主要メンバーとして世界的に知られています。彼は建築に求められた課題を、大胆な構造技術による解決法で、形にしていきました。それが例えば、居住空間を柱で空中に支える、スカイハウス(1958年竣工)や東光園(1964年竣工)などの作品です。そのスタイルは、1990年代の代表作である江戸東京博物館(1992年)にまで、貫かれています。菊竹はなぜ、空高く建築を持ち上げようとしたのでしょうか。建築家の生涯をたどることで、その謎に迫ります。(講師:記) [6月26日 黒川紀章](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7918744) 担当:和田菜穂子(建築史家・博士(学術)/東京家政大学家政学部造形表現学科准教授) 1960年代に「メタボリズム運動」のメンバーに最年少で加わったことから黒川紀章は建築界で名を馳せることになりました。本講座では「メタボリズム運動とは何だったのか?」からスタートします。1970年の大阪万博でいくつかのパビリオンを手がけ、1972年「中銀カプセルタワー」が登場します。移動可能なカプセルのイメージづくりとして軽井沢に自身の別荘「カプセルK」も手掛けています。1990年代は全国各地に美術館・博物館建築を数多く手掛け、2006年に竣工した「国立新美術館」が最後の美術館建築となりました。最晩年には政界進出を図りますが、本講座では黒川紀章の野望についても考察したいと思います。(講師:記)
岸 佑:1980年仙台市生まれ/国際基督教大学大学院比較文化研究科博士課程修了。青山学院大学、立教大学、明治学院大学、東洋大学などで非常勤講師をつとめる。専門は、日本近現代史、近現代建築思想史。DOCOMOMO Japanやジャポニスム学会で理事をつとめる。共著に『建築家ヴォーリズの「夢」』、『日本の図書館建築』(以上、勉誠出版)、共訳書にマーク・ウィグリー『白い壁、デザイナードレス』(鹿島出版会)がある。
磯 達雄:建築ジャーナリスト/オフィス・ブンガ、桑沢デザイン研究所非常勤講師、武蔵野美術大学非常勤講師、早稲田大学非常勤講師 1963年埼玉生まれ。名古屋大学工学部建築学科卒業。日経BP社にて日経アーキテクチュア編集部、編集事務所フリックスタジオを経て、現在はオフィス・ブンガ共同主宰。日本の戦後建築を中心に取材・執筆活動を続ける。著書に『昭和モダン建築巡礼』『ポストモダン建築巡礼』『菊竹清訓巡礼』『日本遺産巡礼』(以上、日経BP社)『ぼくらが夢見た未来都市』(PHP新書)、『日本のブルータリズム建築』(トゥーヴァージンズ)があるほか、「日経アーキテクチュア」「CasaBrutus」「東京人」などの雑誌で建築にまつわる記事を寄稿している。
和田 菜穂子:建築史家・博士(学術)/東京家政大学家政学部造形表現学科准教授 新潟生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。神奈川県立近代美術館、コペンハーゲン大学、東北芸術工科大学、東京藝術大学等で勤務。大学教育と並行して、建築やアートに関する国際展や国際プロジェクトのコーディネート、プロデュース業に従事。近代建築史の研究者としては日本および北欧の近代住宅史、建築ミュゼオロジーの研究を進める。また美術館や企業と連携した親子向けワークショップなどを企画。主な著書に『近代ニッポンの水まわり』『北欧モダンハウス』(以上、学芸出版社)、『山手線の名建築さんぽ』(エクスナレッジ)など。
筆記用具
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