ルネサンスに対してバロックという新たな様式を生みだした17世紀、イタリアのみならず、ヨーロッパ各地に独自のバロック美術が生まれ、まさに百花繚乱でした。今期は、フランドル(現在のベルギー)とスペインのバロック絵画を紹介します。第1回は、フランドルの巨匠、リュベンス(ルーベンス)の作品を中心に、聖書やギリシア・ローマ神話の物語がどのように表現されたかをひもとき、第2回は、リュベンスの有能な助手だったヴァン・ダイクの作品を中心に、肖像画や風俗画あるいは神話画など、フランドル絵画の多彩な側面を紹介します。第3回は、ベラスケスの作品を中心にスペインのバロックの動向を紹介します。 (講師・記) 画像1(リーフレット画像):ペーテル・パウル・リュベンス《妻ヘレナト息子フランスをともなう自画像》1635年頃,メトロポリタン美術館,ニューヨーク 画像2:ディエゴ・ベラスケス《ラス・メニーナス(女官たち)》1656年,プラド美術館,マドリード
千速 敏男:成安造形大学名誉教授。17 世紀オランダを中心とする美術理論史を研究。主な著訳書にブラウン著『オランダ絵画』、キツソン著『レンブラント』、ズッフィ著『ファン・エイク: アルノルフィーニ夫妻の肖像』(以上、西村書店)、グリム著『額縁の歴史』(青幻舎)、『デトロイト美術館展』図録(上野の森美術館,大阪市立美術館,豊田市美術館)、「西洋美術における自然の表現」(『自然学』ナカニシヤ出版)など。
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