「方丈記」は、鎌倉時代初期に成立した、隠者文学の代表とされる作品です。作者の鴨長明は、京都下鴨神社社家の子として生まれながら、様々な挫折を経験した末に、出家し、方丈庵(一丈四方、約3.3メートル四方)の草庵に平安と幸福を見出します。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という冒頭が有名ですが、日本文学屈指の名文との誉れ高い方丈記を、茶道、古今東西の隠者などもふまえながら、新たな視点で、丁寧に読み解きます。現代を生きる我々にも多くの導きを示してくれる書です。どうぞご期待ください。(講師・記) <各回のテーマ> 4月:鴨長明の生涯と著作(発心集・無名抄) 5月:方丈記―自然災害(大火・辻風・遷都・大地震・飢饉) 6月:方丈記―隠遁ということ 7月:方丈記―方丈庵から茶室へ 8月:丈記―数奇の精神 9月:方丈記―美意識
谷 知子:フェリス女学院大学教授 1959年、徳島県生まれ。大阪大学国文学科卒業、東京大学大学院博士課程単位取得。博士(文学・東京大学)。フェリス女学院大学教授。専攻は中世和歌。著書に「ビギナーズクラシック角川文庫『百人一首(全)』」(KADOKAWA)『古典のすすめ』『天皇たちの和歌』『和歌文学の基礎知識』(角川選書)、『中世和歌とその時代』(笠間書院)、『かきやりし黒髪−恋歌への招待』(フェリスブックス)『愛と生を紡ぐうた 百人一首』(PHP研究所)などがある。
・4/18動画は要編集のため4/23以降にアップの予定です・Zoomを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。