私たちは、数千億の星が集う「天の川銀河」に住んでいます。宇宙にはこうした銀河がさらに数えきれないほど存在します。銀河は衝突や合体を経て、また爆発的な星の誕生や中心に潜む巨大ブラックホールの影響を受けて、成長と進化を続けています。その過程はたいへん複雑かつ多様性にも富んでおり、だからこそこの宇宙を理解するうえで銀河は欠かせない存在です。本講座では、天の川銀河から100億光年以上彼方にある古代銀河に至るまで、様々な切り口による最新研究が明らかにしてきた銀河の素顔に迫ります。【監修:国立天文台 平松正顕・記】 【各回テーマ(予定)・担当講師】 ### 2/1:「銀河とは何か」 国立天文台天文情報センター講師 平松正顕 ### 2/15:「相互作用する兄弟銀河・大小マゼラン雲の成長」 名古屋大学大学院理学研究科准教授 立原研悟 ※リモート講演 ### 3/1:「銀河:星形成と宇宙進化をつなぐ結節点」 工学院大学 教育推進機構准教授 小麥真也 ### 3/15:「活動銀河核:成長中のモンスターブラックホール」 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所宇宙航空プロジェクト研究員 小川翔司 ### 3/29:「銀河の個性は環境で決まる?:宇宙を支配する法則を探る」 早稲田大学高等研究所 准教授 嶋川里澄 ※2/15 立原講師はオンラインで登壇します。教室では、スクリーンに投影した映像を視聴いただきます。
平松 正顕:国立天文台天文情報センター講師 1980年生まれ。東京大学理学部卒。東京大学大学院理学系研究科修了。博士(理学)。中央研究院天文及天文物理研究所研究員、国立天文台アルマプロジェクト助教を経て国立天文台天文情報センター講師。専門は星形成領域の観測的研究、電波天文学。現在は、国内外での電波天文観測環境を保全するための電波周波数管理活動と、可視光赤外線天文観測に適した星空環境の保全のための活動を行っている。著書に『宇宙はどのような姿をしているのか』(ベレ出版)など。
立原 研悟:名古屋大学大学院理学研究科准教授 1969年生まれ。1999年名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻修了。博士(理学)。マックスプランク・地球外物理学研究所研究員、日本学術振興会海外特別研究員(ドイツ・フリードリ=シラー・イエナ大学)、神戸大学研究員、国立天文台助教(チリ・合同アルマ観測所サイエンティスト)を経て、2013 年より現職。専門は電波天文学。星形成や星間物質を観測的に研究し、NANTEN2 電波望遠鏡の運用や開発も指揮している。
小麥 真也:工学院大学 教育推進機構准教授 1981年北海道生まれ。5歳の時に祖母にもらった図鑑がきっかけで天文学を志す。東京大学大学院理学系研究科修了、博士(理学)。宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所研究員、合同アルマ観測所、国立天文台東アジア・アルマ地域センターを経て現職。電波による観測を軸にして、近傍の銀河でガスや星間塵がどのような状態にあるか、そこから星がどのようにして生まれるかを研究している。趣味で始めたウォーキングが健康のためになりつつある。
小川 翔司:宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所宇宙航空プロジェクト研究員 1994年生まれ。京都大学理学部卒。京都大学大学院理学研究科修了。博士(理学)。専門はX線を中心とした多波長観測データを用いた活動銀河核の研究。現在は、JAXA宇宙科学研究所X線分光撮像衛生(XRISM)プロジェクトチームのプロジェクト研究員として、X線天文衛星XRISMの運用に携わっている。
嶋川 里澄:早稲田大学高等研究所准教授 1988年生まれ。大阪大学理学部卒。総合研究大学院大学物理科学科天文科学専攻修了。博士(理学)。カリフォルニア大学サンタクルーズ校研究員、国立天文台ハワイ観測所特任助教を経て、早稲田大学高等研究所に着任(任期付准教授)。専門は遠方銀河の観測的研究、光赤外天文学。すばる望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いて、遠方銀河の形成進化を研究している。また最近では、人工知能を使ったビッグデータの解析や、市民天文学「GALAXY CRUISE」に航海士として参加するなど、活躍の場を広げている。
※資料データは、講座日当日になることもあります。予めご了承ください。
Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる講座(講師は教室で講義予定。2/15の立原講師は、オンラインで登壇します)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comまで。