毎回1点ずつ、中世・ルネサンス以降20世紀に至るまでののヨーロッパ美術史を代表する絵画作品を取り上げ、細かいところまでじっくり見て隠された秘密をていねいに読み解いていきながら、基礎的な知識、アーティストの紹介、関連作品や研究成果にもとづく新知見についてもお話していきます。よくご存じの作品であっても、意外な発見がいろいろとあると思います。 第1回 4月15日 アンドリュー・ワイエス《クリスティーナの世界》 20世紀アメリカ絵画のイコン:現実を越えて画家は何を描こうとしたのか 第2回 5月20日 エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン《麦わら帽子をかぶった自画像》 マリー・アントワネットの女性画家による自己へのまなざし 第3回 6月17日 ヴィルヘルム・ハマスホイ《背を向けた若い女性のいる室内》 抽象性と官能性がからみ合う室内の迷宮
木俣 元一:名古屋大学名誉教授 1957年生。名古屋大学文学部卒業(1980)、同大学大学院文学研究科博士前期課程哲学専攻美学美術史専門修了(1982)、フランス政府給費留学生としてパリ第一大学博士課程中世考古学専攻に留学(1983-87)、同専攻にて博士号取得(1987)、名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程哲学専攻美学美術史専門中途退学(1987)、名古屋大学文学部助手(1987)、同助教授(1991)、同教授(2003)。辻壮一・三浦アンナ記念学術奨励金(立教大学)受賞(2003)。↓↓西洋中世・キリスト教美術史に関する研究を行っている。主要なテーマは,ゴシック聖堂扉口彫刻の発展プロセスの復元、ステンドグラスにおける視覚的物語叙述とレトリック、キリスト教美術の機能論的問題、キリスト教美術における記号論的問題。現在の関心は、ゴシック期における視覚文化を、「美術」の枠組みを問い直しつつ、幅広い視野で論じること。↓↓著書:『西洋美術館』(共編著)小学館(1999)、『大聖堂物語 ゴシックの建築と美術』(共著)河出書房新社(2000)、『シャルトル大聖堂のステンドグラス』中央公論美術出版(2003)