日本から地理的に近く、核ミサイル開発や拉致問題などで紙面を賑すことの多い北朝鮮。近年では、ドキュメンタリー映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』や『トゥルーノース』が日本で公開され、北朝鮮に対する関心が広がりを見せつつあります。 しかし、北朝鮮という国家の成り立ちやそこで暮らす人々の実像について、日本では十分に知られていません。そのため、現代北朝鮮の行動様式は予測可能性が低く、複雑怪奇と言われます。 世界でもっとも閉鎖的なこの隣国は何を考え、どのように形成されたのか。また、将来的に我々はいかに北朝鮮と向き合うべきなのか。本講座では、講師による最新研究の紹介や訪朝体験を織り交ぜながら、北朝鮮の基本情報や社会の成り立ち、韓国や日本をはじめとする世界各国との国際関係、経済、文化などを考えます。(講師・記) 【カリキュラム】 第1回 政治 なぜ、金正恩体制は崩壊しないのか。「体制安定論」と「体制不安定論」の視点から北朝鮮の政治体制を考える。 第2回 経済 北朝鮮は資本主義経済をどう認識しているのか。政治学者のイアン・ブレマーが提唱する「Jカーブ理論」を援用しながら改革開放の道程を考える。 第3回 外交・安全保障 なぜ、北朝鮮は軍事緊張を高めるような行動をとるのか。米朝関係を中心に北朝鮮の「非対称性戦略」について考察する。 第4回 南北関係 なぜ、同じ民族同士で敵対するのか。南北朝鮮と東西ドイツの事例を比較し、分断と統一の問題を考える。 第5回 文化・社会 北朝鮮の最近の音楽事情や社会に浸透する「韓流」を中心に、北朝鮮の文化・社会を考える。 第6回 人権 北朝鮮国内の人権状況や「脱北者」問題、韓国政府や内外のNGOの活動について紹介する。 *** 【広報画像】 @イメージ画像 A首都・平壌にある平壌駅前の広場(講師撮影) B朝鮮民主主義人民共和国のビザ(講師撮影)
松浦 正伸:(まつうら・まさのぶ)福山市立大学准教授(担当:国際関係論、国際開発論、韓国・北朝鮮社会論)。専門は、朝鮮半島をめぐる政治外交を中心とした東アジア国際政治。ソウル大学校社会科学大学大学院政治外交学部外交学科博士課程修了(大韓民国政府招請奨学生)。Ph.D. in International Relations(외교학 박사)。慶應義塾大学東アジア研究所研究員、島根県竹島問題研究会研究委員などを歴任。著書に、『北朝鮮帰国事業の政治学』(2022)明石書店。共著に、『한일관계의 궤적과 역사인식(韓日関係の軌跡と歴史認識) 』(2020)東北アジア歴史財団研究叢書、『北朝鮮を解剖する』(2024)慶応義塾大学出版会、他。
★2/25は、お休み。 Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。