1986年、中国四川省の成都盆地に位置する三星堆遺跡で、大きな発見がありました。二基の祭祀坑から数多くの不思議な形をした人物像や仮面が出土し、それまで知られていなかった長江上流域の独自の青銅器文化の存在が明らかになったのです。その後も発掘調査は続けられ、現在では八基の祭祀坑が調査されています。 三星堆遺跡から出土した青銅器は、形の面でも機能の面でも、同時期の黄河流域の青銅器とは全く異なっています。一方で、三星堆文化から黄河流域にルーツを持つ遺物も数多く出土しています。はたして、三星堆文化の人々は何者だったのでしょうか。中華文明の形成と、どのようなかかわりがあったのでしょうか。 本講座では、三星堆遺跡における新発見を紹介しながら、彼らの文化の独自性や黄河流域の文化との関係について、最新の状況を整理します。謎の仮面文化に、考古学の側面から迫ってみましょう。 (講師・記)
角道 亮介:駒澤大学准教授 1982年生まれ。千葉県出身。専門は中国考古学。北京大学考古文博学院への留学中、陝西省の周公廟遺跡にて西周時代遺跡の発掘調査に参加。2013年に東京大学大学院にて博士号取得。日本学術振興会特別研究員を経て、2014年より現職。主な著書に『西周王朝とその青銅器』(六一書房)、『地下からの贈り物―新出土資料が語るいにしえの中国』(東方書店、共著)、『北京大学版中国の文明1 古代文明の誕生と展開(上)』(潮出版社、翻訳)など。
資料は当日になることがあります。 日程が変更になりました。 5月31日→5月17日(土)15:30〜17:00
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