パキスタン北西部のガンダーラでは、2世紀から3世紀の間に、仏教が栄え、多数の片岩製の仏教彫刻が制作されました。日本の多くの博物館にもガンダーラ彫刻が展示されていて、目にする機会は少なくないので、日本において、ガンダーラ彫刻は有名になりつつありますが、この地域の歴史については、文献資料が乏しく、あまり知られていません。 その謎に包まれたガンダーラの歴史について、今回の講座では、アケメネス朝ペルシアからクシャン朝が支配した前6世紀から後3世紀頃までを、ガンダーラで出土した多数のコインをご紹介しながら、明らかにしていきます。
田辺 理:京都大学白眉センター 文学研究科特定准教授 1979 年生。2015 年早稲田大学文学研究科博士後期課程美術史学コース修了、文学博士学位取得。日本学術振興会 PD 特別研究員、ミュンヘン大学インド学・チベット学研究所客員研究員を経て、現在京都大学白眉センター・文学研究科特定准教授。専門は、ガンダーラ仏教美術史、比較美術史。
※設備費は、教室維持費です。