新古今和歌集は、後鳥羽院が藤原定家達歌人に命じ、また自ら精撰した、第八番目の勅撰集後です。全20巻、総歌数は1980首。収められた和歌は、万葉集から平安時代を経て鎌倉初期に至るまでの歌人たちの歌で、歌人数は400名ほどです。最多数入集歌人は西行で、慈円、良経、俊成、式子内親王、藤原定家などが続きます。紀貫之や和泉式部、柿本人麻呂といった、古い時代の歌人の和歌も含みます。古今集を規範とし、本歌取や題詠という新たなレトリックを用い、艶・幽玄という美意識に支えられた新古今和歌集の世界は、日本文学、日本文化の一つの頂点、最高峰を示しています。今期は恋歌1128番〜1189番を読みます。中関白家、高倉院、醍醐天皇、円融院、花山院などの歌人の生涯と和歌、歌合、『源氏物語』などの物語、和歌をめぐる伝承や説話など、多くの歌人や作品を紹介し、講読します。1回ごとに完結するスタイルですので、今期からの受講も歓迎します。(講師・記) <4〜6月 各回のテーマ> 1.浅茅と『源氏物語』、七夕、草に寄する恋、冨士山と恋 2.名と恋、春・夏・秋・冬の恋、暁・昼・夕の恋、貴船神社 3.西行と恋、中関白家、「逢ふ恋」 4.高倉院、恋の手紙、敦道親王と和泉式部 5.醍醐天皇、円融天皇 6.後朝の恋、源氏物語と後朝、花山院
谷 知子:フェリス女学院大学教授 1959年、徳島県生まれ。大阪大学国文学科卒業、東京大学大学院博士課程単位取得。博士(文学・東京大学)。フェリス女学院大学教授。専攻は中世和歌。著書に「ビギナーズクラシック角川文庫『百人一首(全)』」(KADOKAWA)『古典のすすめ』『天皇たちの和歌』『和歌文学の基礎知識』(角川選書)、『中世和歌とその時代』(笠間書院)、『かきやりし黒髪−恋歌への招待』(フェリスブックス)『愛と生を紡ぐうた 百人一首』(PHP研究所)などがある。
<参考テキスト>久保田淳著『新古今和歌集 上・下』(角川ソフィア文庫) ※講義ごとに資料を配布いたしますので、必携ではございません。
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