シルクロード(絹の道)とは、本来、洛陽、長安などの中国の都市と、シリア、ローマなどの西方の諸地域とを結んだ、中央アジア経由の陸上東西交通路を指します。近年では、中国以東の朝鮮半島や日本へ続く道も広義にシルクロードとされます。シルクロードを経由して東アジアに伝播した仏教は、飛鳥時代に日本へ伝わり、ヤマト朝廷の中心である奈良で信仰され始めました。7世紀の後半になって、いわゆる白鳳時代の独特な仏像(白鳳仏)や仏教美術が制作され、奈良・薬師寺金堂薬師三尊像で頂点に達しました。また、奈良の終末期古墳であるキトラ古墳や高松塚古墳は中国や朝鮮半島の死生観を反映した壁画が残ります。本講座は、キトラ古墳壁画や高松塚古墳壁画、薬師寺東院堂聖観音像および金堂薬師三尊像などを取り上げ、中国美術や朝鮮半島の美術と比較して考えてゆきます。(講師・記) ※画像説明:薬師寺東塔水煙 <各回テーマ> 第1回 奈良・キトラ古墳壁画と高松塚古墳壁画の美 第2回 奈良・川原寺の創建と塑像断片および塼仏 第3回 法隆寺の伝橘夫人念持仏と夢違観音立像 第4回 奈良・薬師寺の創建と東塔の美 第5回 薬師寺東院堂聖観音立像の美 第6回 薬師寺金堂薬師三尊像の美
北 進一:きた・しんいち 1963年生まれ。中国・山東大学留学。アジア文化史専攻。群馬県立女子大学および高崎経済大学兼任講師。著書に『アシュラブック 興福寺阿修羅像から東大寺不空羂索観音像へ』(美術出版社)、『ほとけを知る 仏像めぐりハンドブック』(シンコーミュージック・エンタテイメント)。共著に『カラー版 東洋美術史』(美術出版社)、『世界美術大全集 東洋編15 中央アジア』(小学館)、『中国世界遺産の旅3 四川・雲南・チベット』(講談社) ほか 。
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