日本銀行は政策金利を今年2回引き上げた。「金利のある世界」へと日本経済は向かいつつあるが、金利水準は海外に比べ依然として圧倒的に低い。その結果、円の為替レートは実質ベースで半世紀以上見られなかった弱さにあり、国民は生活コストの上昇に苦しんでいる。超緩和状態が未だに維持されている理由のひとつは、経済規模比で世界最大の発行額となっている日本国債の金利急騰を日銀が強く恐れている点にある。しかし、このような金利運営はサステナブルなのか?円安がとめどもなく進む恐れはないのか?本来我々が直視すべき長期的、構造的な問題は何か?「金利のある世界」へ移行するにあたっての課題、論点を考察していく。(講師:記)
加藤 出:かとう・いずる 1965年生まれ。1988年横浜国立大学経済学部卒、同年東京短資入社。短期金融市場での仲介業務と東短リサーチ研究員を兼務、現在同社代表取締役社長兼チーフエコノミスト。海外駐在は2002年ニューヨーク、2010年ロンドン、2011年上海。主な著書は「東京マネーマーケット」(共著、2019年)、「デジタル化する世界と金融」(共著、2020年)。テレビ東京「モーニング・サテライト」、BS・TBS「Bizスクエア」などに定期出演。
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