まだ寒い季節、でも早くも目を覚ました花々がいます。フキ、ホトケノザ、 ナズナ、ザゼンソウ、ヤシャブシ、スギなど、寒さにめげず早春を選んで咲く花々には、それぞれに複雑な事情や戦略や工夫があるようです。虫の少ないこの時期に植物たちは花の「雄」と「雌」をどうセッティングしているのか、どんな子孫を作りたいのか…。植物たちの生き残り戦略には、早春という開花期が密接に関わっています。早春を選んで咲く花々の巧みな戦略と生きる知恵を、写真や実物の観察をまじえて見ていきます。(講師記) .
多田 多恵子:ただ・たえこ 植物学者 東京生まれ。東京大学卒、理学博士。専門は植物生態学。 いつもワクワクしながら、植物の繁殖戦略や動物との相互関係を追いかけている。東京農工大非常勤講師。NHKラジオ子ども科学電話相談の回答者。2021年度松下正治記念賞受賞。2022年日本植物学会特別賞受賞。広く自然の面白さを伝えたいと観察会などでも活動中。著書に「美しき小さな雑草の花図鑑」(山と渓谷社)、「したたかな植物たち」(ちくま文庫)、「旅するタネたち」(山渓文庫)、「図鑑 NEO 花」(小学館)、「実とタネ・キャラクター図鑑」(誠文堂新光社)、「びっくり まつぼっくり」(福音館書店)、「道草ワンダーランド」(NHK出版)など多数。NHK・Eテレ「趣味どきっ!」番組枠で、2021年秋放送の「道草さんぽ」と続編で2023年春放送の「道草さんぽ・春」はともに好評を博し、それぞれ2023年秋と2024年春にアンコール放送されました。
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