このシリーズは、美術史で表現されてきた女性の歴史を、その背景となる社会の動きと関連させながら見ることで、より一層理解を深めることを目的としています。初回は、「導入〜古代〜中世」までが対象となります。 講座の性質上、一般的に人気の高い「名画に描かれた美女もの」講座とは目的が異なることをご了承ください(もちろん美女画も鑑賞・考察の対象として扱いますが)。 なぜこの女神像には乳房のようなものが沢山ついているのか、なぜこの女性は幼児から尿をかけられているのか、なぜただ手紙を読んでいるだけの女性像が美術史上重要な位置を占めているのか― 女性の表象史がもつこうした数々の側面を一緒に観ていくことで、受講された皆様の今後の美術鑑賞と異文化理解が一層味わい深くなる一助となれば幸いです。 なおこの講座は、下記の書籍の内容と構成に基づきながら進んでいきます。 **参考書籍** ※必須ではありません 池上英洋、『額縁のなかの女たち』、2024年、NHK出版新書(1,450円+税) [書籍詳細](https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000887312024.html) 本講座は2025年5月より、期に1回のペースで開催し、二年ほどで完結予定です。 池上講師の講座シリーズ「じっくり味わう西洋の美術と歴史」は2025年度は休止となり、2026年度に再開いたします。
池上 英洋:いけがみ・ひでひろ 美術史家、東京造形大学教授。1967年、広島生まれ。東京芸術大学卒業・同大学院修了。専門はイタリアを中心とする西洋美術史・文化史。著書に、『レオナルド・ダ・ヴィンチ』(小学館)、『イタリア 24の都市の物語』(光文社)、『神のごときミケランジェロ』(新潮社)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)、『レオナルド・ダ・ヴィンチ 生涯と芸術のすべて』(第四回フォスコ・マライーニ賞受賞)、『死と復活』『西洋美術史入門』(いずれも筑摩書房)、『錬金術の歴史』『イタリア・ルネサンス』(いずれも創元社)など。美術評論家連盟会員、日本文藝家協会会員。
<参考図書> 『額縁のなかの女たち 「フェルメールの女性」はなぜ手紙を読んでいるのか』(池上英洋・著、NHK出版新書)
・Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室で講義予定。リアルタイム配信はございません)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せは asaculonline001@asahiculture.com で承ります ・教室は当日の案内表示をご確認ください