ヴェネトは北イタリアの東部、アドリア海に接する地方で、その中心はヴェネツィアです。中世に東方貿易で栄えたこの海港都市のロマネスクは、ビザンティン芸術を受け入れます。講座ではモザイクに彩られたムラーノやトルチッロの教会を巡り、その個性を探求します。アルトアディジェはオーストリアに近いアルプス山中に位置しています。その谷間には北の皇帝たちがイタリアに下る街道が形成され、多数の修道院や教会が建設されました。そこに独自のロマネスク壁画の芸術が開花します。ここではその美を訪ねてまわります。(講師記) <カリキュラム> 5/29 ヴェネトのロマネスクを訪ねて 6/5 アルトアディジェのロマネスクを訪ねて
池田 健二:美術史家 1953年広島県尾道市生まれ。上智大学文学部史学科卒。同大学大学院博士課程修了。 専攻はフランス中世史、中世美術史。91年より毎年『ロマネスクの旅』を企画し全ヨーロッパのロマネスク教会を詳細に調査する。上智大学や茨城キリスト教大学などで長年にわたり歴史や美術史を講義する。訳書に『ヨーロッパ中世社会史事典』(藤原書店)、共訳書に『中世の身体』『中世とは何か』『ヨーロッパの中世−芸術と社会』(藤原書店)、『ロマネスクの図像学』『ゴシックの図像学』(国書刊行会)、著書に『フランス・ロマネスクへの旅』『イタリア・ロマネスクへの旅』『スペイン・ロマネスクへの旅』(中公新書)。
★教材費はカラーコピー代です。