江戸幕府が開かれ天下泰平の世の中となりました。人々はこぞって娯楽や教養を求め、それまで写本でしか伝わらなかった多くの古典文学が、木版印刷により、市中に大量に供給されるようになりました。芭蕉が生まれた、寛永21年(1644年)は、まさにこのような時代です。そこには、古今集等の和歌集、源氏物語等の小説、徒然草等の随筆、平家物語等の軍記物、謡曲、海外は李白・杜甫等の漢詩など、さまざまな古典を手にできる環境がありました。知識欲が旺盛な芭蕉は、これらの古典を次々と自分の血肉にし、芭蕉自身を形成して行ったのでしょう、芭蕉のどの作品にも、おのずと、これら古典が息づいています。特に、代表作『おくのほそ道』は、「古典の小宇宙」といった感があります。 今回はこの『おくのほそ道』をベースに、この作品に散りばめられている、さまざまな古典に焦点を当てます。『おくのほそ道』という宇宙空間を立体的に楽しんでいただきたいと思います。そのうえで、多くの古典文学を一身に集めたような、芭蕉という人物を実感していただければ幸いです。(講師記) ★今期開講。1年12講で学びます。 ※一年間の講座となります。毎回、あらすじを現代語にしてお伝えしますので、『おくのほそ道』を読んだことのない方にもご参加いただけます。 ※岩波文庫(萩原恭男校注)『おくのほそ道』を一応の基本テキストとしますが、他社のものでも問題ありません。 【カリキュラム(予定)】4月期:序章〜須賀川 7月期:あさか山〜松島 10月期:石の巻〜象潟 1月期:越後路〜大垣
浅生田 圭史:俳人 『古志』元編集長 1964年横浜生まれ。平成6年より長谷川櫂(古志)に師事。著書に句集「獅子」、評論集「俳句の時代」。
★岩波文庫(萩原恭男校注)『おくのほそ道』を一応の基本テキストとしますが、他社のものでも問題ありません。
★Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはyk9yokohama@asahiculture.comで承ります。 ★今期開講。1年12講で学びます。