東北地方では、全長100mを超える大前方後円墳は5基を数えるのみです。福島県会津地方に2基、いわき市に1基、宮城県名取市に、東北最大の前方後円墳の雷神山古墳(168m)、仙台市に100m超の古墳が1基あり、90m級の古墳は名取市に1基、山形県南陽市に1基があります。これら大古墳は、いずれも4世紀後半から5世紀前半までに築かれた古墳で、大古墳は東北での古墳出現期に出現する特色があります。5世紀中頃以降、6世紀には大古墳が築造されておらず、上毛野地域や下毛野地域とは大きく異なった様相を示しています。また、宮城県北部以北と山形県中北部以北では、古墳はほとんど築かれていません。東北に分布する大古墳の内容と特徴、古墳の分布状況などを探りつつ、ヤマト王権と東北地域社会との政治的関係について探ります。(講師記) 写真:宮城県名取市 雷神山古墳
木下 正史:きのした・まさし 東京学芸大学名誉教授 1941年東京都生まれ。東京教育大学卒業。同大学院修士課程修了。日本考古学専攻。奈良国立文化財研究所、東京学芸大学教授を経て、現在、同大学名誉教授。主な著書に『古代日本を発掘する―飛鳥藤原の都―』『飛鳥・藤原の都を掘る』『藤原京』など。
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