民主主義を活性化させ、財政を有効に機能させることによって、企業再生を目指すということは奇妙に思えるかもしれない。しかし、政府が唱える「経済あっての財政」という方針は、論理が逆であって、財政が有効に機能してこそ、市場経済も発展すると考えられる。「失われた30年」といわれるように、日本の企業の衰退は著しいけれども、財政を有効に機能させて、日本企業がその使命を果せるように再生していく途を提示してみたい。(講師・記)
神野 直彦:じんの・なおひこ 東京大学名誉教授 1946年埼玉県生まれ。東京大学経済学部卒業後、日産自動車株式会社を経て、 同大学大学院経済学研究科博士課程修了。大阪市立大学助教授、東京大学助教授、教授、関西学院大学大学院教授、日本社会事業大学学長を経て、東京大学名誉教授。専攻は財政学・地方財政論。著書に『システム改革の政治経済学』、『人間回復の経済学』、『教育再生の条件−経済学的考察』(岩波書店)、『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書)、『地域再生の経済学』(中央公論新社)、『財政学』(有斐閣)、『税金常識のウソ』(文春新書)、『「人間国家」への改革』(NHK出版)などがある。
参考図書: 『財政と民主主義-人間が信頼し合える社会へ』2024年2月(岩波新書) 『教育再生の条件-経済学的考察』2024年4月(岩波現代文庫)
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