『百人一首』は謎に満ちていて、しかもその魅力は今も私たちをひきつけてやみません。 まず、成立にまつわる諸説を整理し、全体を見わたしたうえで、奈良・平安・鎌倉時代から一首ずつ、以下の三首の和歌を取り上げ、新たな解釈を提示してみたいと思います。(講師・記) 【とりあげる三首】 春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山(2番・持統天皇) ・・・暦の到来という時代背景から読み解きます。 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲隠れにし夜半の月かげ(57番・紫式部) ・・・紫式部にとっての「月」の意味を検証します。 世の中は常にもがもな渚漕ぐ海人の小舟の綱手かなしも(93番・鎌倉右大臣) ・・・諸説を整理し、将軍の歌として読み直します。
谷 知子:フェリス女学院大学教授 1959年、徳島県生まれ。大阪大学国文学科卒業、東京大学大学院博士課程単位取得。博士(文学・東京大学)。フェリス女学院大学教授。専攻は中世和歌。著書に「ビギナーズクラシック角川文庫『百人一首(全)』」(KADOKAWA)『古典のすすめ』『天皇たちの和歌』『和歌文学の基礎知識』(角川選書)、『中世和歌とその時代』(笠間書院)、『かきやりし黒髪−恋歌への招待』(フェリスブックス)『愛と生を紡ぐうた 百人一首』(PHP研究所)などがある。
パンフレットに記載のない講座です。Zoomを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問い合わせは、yk9yokohama@asahiculture.comで承ります。