『ワイマルのロッテ』(Lotte in Weimar, 1939)は、20世紀ドイツ文学の巨匠トーマス・マン(1875-1955)が、近代ドイツ文学の巨匠ゲーテ(1749-1832)の人物像に挑んだ小説です。若きゲーテの名作『若きヴェルターの悩み』(1774)で主人公が(片)思いを寄せる恋人のモデルとされたシャルロッテを45年後に迎えるのが、宮廷都市ヴァイマルとそこに大御所として君臨していたゲーテです。この「天才」の知られざる姿を、ロッテのワイマル訪問を通じてあぶり出すのは、散文文学の巨匠が紡ぐ名文です。その原文を味わうためにも、ドイツ語中級以上の文章語に慣れた受講者を想定しています。(講師・記) ・1回の授業で1〜2ページほど読み進めます。
高橋 輝暁:たかはし・てるあき 立教大学名誉教授 1947年生まれ。学習院大学大学院修士課程修了。東京大学助教授、立教大学教授を経て、立教大学名誉教授。この間、獨協大学特任教授や立教セカンドステージ大学講師も歴任。文学博士(ヒルデスハイム大学)。専門はドイツ文学・哲学、日独比較対照文化学、人文科学論。日本18世紀学会幹事、日本独文学会会長、日本ゲーテ協会副会長などを歴任。現在は日本ヘルダー学会会長。海外の学術誌の顧問のほか、国内外で著書や論文を多数執筆。最新刊『人間形成としての教養』(春風社)、Herder, Japan und das fremde Denken (Alber)
〈テキスト〉 Thomas Mann: Lotte in Weimar, Roman. In der Fassung der Großen kommentierten Frankfurter Ausgabe. 2. Aufl. Frankfurt a. M.: Fischer Taschenbuchverlag 2016(ISBN 978-3-596-90402-0) 各自お求めください。
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