今日、フランスのルーヴル美術館は世界中から年間約1000万人を集客する「世界一」の美術館になっています。どうしてこんなに人気があるのか。いかにして世界に冠たる美術館となったのか。そこには有名ファッション・ブランドと同じブランド戦略がありました。およそ百年のブランディングの歴史から、ルーヴルが世界一になった秘密を探ります。講座では次の三つのテーマを解説します。(講師・記) (1)ルーヴルは《ニケ(勝利の女神)》とともにブランド化した 顔のない《サモトラケ島のニケ》像はいかにしてルーヴルの「顔」となったのか (2)ルーヴルは《モナリザ》によって世界一になった 《モナリザ》が世界一のセレブとなったのはなぜか、その最大の魅力はどこにあるのか (3)ルーヴルにあるフランス美術の傑作を見逃してはいませんか? 《ディアナ》の絵画と彫刻、ダヴィッド《サビニの女性たちの介入》、ヴァトー《ピエロ》など
藤原 貞朗:茨城大学教授。1967年生。大阪大学卒業。1997年から2000年までリヨン第2大学留学。フランス美術史と美術史学・考古学の学史を専攻。文学博士。大阪大学文学研究科助手を経て、現職。主な著書に『オリエンタリストの憂鬱 フランス東洋学者とアンコール遺跡の考古学』(めこん、2007、サントリー学芸賞、渋沢クローデル賞受賞)、『山下清と昭和の美術 裸の大将の神話を超えて』(服部正と共著、名古屋大学出版会、2014)、『共和国の美術 フランス美術史編纂と保守/学芸員の時代』(名古屋大学出版会、2023、吉田秀和賞受賞)、『ルーヴル美術館 ブランディングの百年』(仮題、講談社選書メチエ、2024年11月刊行予定)。翻訳にガンボーニ著『潜在的イメージ』(三元社、2006)、『ゾラ 美術評論集』(三浦篤と共訳、藤原書店、2010)、タルディ著『塹壕の戦争』(共和国、2016)など、多数。
※2024年12/6(金)から日程変更になりました Zoomウェビナーを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはcb9info@asahiculture.comで承ります。