平城京への遷都で幕を開けた奈良時代。律令体制の充実期で、台頭する藤原氏はその立役者でした。唐の文物が輸入され、国際色豊かな天平文化が花開く一方、政変が相次ぎ、熾烈な権力闘争が繰り広げられた時代です。今回の講座では、奈良時代政治史の研究者が、桓武天皇と公卿勢力との抗争についてお話しします。数多くの政敵を倒して即位した桓武天皇でしたが、歴代天皇とは異なり天智皇統であり、母が渡来系の卑しい身分であったことから、即位してからも公卿勢力と乖離する状況でした。そこから、桓武天皇が、これらの公卿勢力を抑え込んで天皇権力を確立する過程を解説します。 この講座は、3月17日に予定されていた内容を、4月21日に日程変更したものです。 3月17日には、同講師による「桓武天皇の皇権確立」講座を行います。 どうぞご確認の上、お申し込みくださいますよう、お願いいたします。
木本 好信:元龍谷大学特任教授 1950年兵庫県生。専門分野は日本古代政治史、特に奈良時代政治史、平安時代の公卿日記。主な著書に『日本評伝選・藤原仲麻呂―率性は聡く敏くして』(ミネルヴァ書房)、『律令貴族と政争』(塙書房)、『万葉時代の人びとと政争』(おうふう)、『平城京時代の人びとと政争』(つばら選書)、『歴史群像シリーズ 古代天皇列伝』(学研)、『総図解よくわかる天皇家』(共著、新人物往来社)等多数。