大河ドラマ「べらぼう」の主人公・蔦屋重三郎らが活躍した天明・寛政期、江戸の豊かな町人が文化の華やぎを謳歌していた陰で、江戸の庶民世界や地方ではどのようなことが起こっていたのでしょうか。江戸時代260年の推移を段階ごとにとらえてみると、この時期は、社会が大きな曲がり角を迎え、各種の課題に直面する時期と位置づけられます。経済的強者の台頭と貧富の格差の拡大、天災による苦しみ、既存の政治に異議を唱える百姓たち、ドラマにはなかなか現れてこない、社会の実態に迫ります。(講師・記) 【カリキュラム】 第1回 18世紀後期、江戸の豪商と幕府 江戸の経済状況を概観し、勘定所御用達の登用・町会所制度創設の意味などについて考えます。 第2回 天明浅間山噴火と関東地方における影響 火山灰によっておこった経済的な影響や、荒廃農村が発生していくまでの過程をたどります。 第3回 武士にNOを突き付ける人々:騒動・打ちこわしと改革政策 江戸の打ちこわし・飛騨幕領で発生した大原騒動などの事例から、この時期に民衆の不満が爆発した背景と為政者の対応を探ります。 【広報画像】 @歌川広重《江戸高名会亭尽 芝明神社内》(国立国会図書館デジタルコレクション) A歌川広重《東海道五拾三次 鳴海・名物有松絞》(国立国会図書館デジタルコレクションより) B浅間山焼(国立公文書館デジタルアーカイブより)
戸森 麻衣子:(ともり・まいこ)東京農業大学非常勤講師。1975年生まれ。専門は、日本近世史。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。著書に、『江戸幕府の御家人』(2021)東京堂出版、『大江戸旗本 春夏秋冬』(2023)東京堂出版、『仕事と江戸時代――武士・町人・百姓はどう働いたか』(2023)ちくま新書。共著に、『長崎奉行遠山景晋日記』(2005)清文堂出版。
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