毎年、慶応義塾大学日吉キャンパスで春学期に開講している「西洋絵画史入門」は、美術史家になったわたしが「学部時代に受けたかった授業」を独自に考えて組み立てたものです。美術史家を目指す方はもちろん、美術にあまり興味のない方のためにも西洋絵画史というエキサイティングな世界の扉をひらき、楽しみながら一生ものの鑑賞眼や知識を身につけられるような構成を考え、学生とともにブラッシュアップさせてきました。その結果、現在ではとても多くの学生さんが履修してくれる科目に成長しました。慶應のみなさんと作ってきたといっても過言ではない本講座を、朝日カルチャーセンターでもお話できるのを楽しみにしています。 全12回で古代ギリシャ美術からルネサンス美術までの絵画作品を中心に学びますが、4月期は、西洋美術の古典として必ず押さえておくべきギリシャ美術をとりあげます。途中回からの参加も歓迎いたしますが、初回からご参加いただけますと体系的な理解に繋がり効果的だと思います。 *24年度受講の学生さんの声* 「ただ夜空を見上げて、星が綺麗ということしか分からなかった人が、星座という概念を知って、夜空から形を見つけ出すことが出来るようになったように、この授業を通して新たな視点が私のなかに身につき、見ていたのに見えていなかったものに気が付くようになりました。」 第1回 イントロダクション:サモトラケのニケの見かた 第2回 古代ギリシャ美術@ パルテノン神殿とエルギン・マーブル 第3回 古代ギリシャ美術A ラオコーン群像 ※進行具合によって内容を若干変更する可能性があります 【以降の予定】 第4回 古代ローマ美術@ 第5回 古代ローマ美術A 第6回 初期キリスト教美術 第7回 ビザンチン美術 第8回 ロマネスク美術 第9回 ゴシック美術 第10回 ルネサンス美術@ 第11回 ルネサンス美術A 第12回 その後の西洋美術史の流れ:新古典主義の誕生 ※全12回終了後は、ルネサンス〜新印象派までの連続講座を予定しています
荒木 文果:慶應義塾大学准教授(美術史)。福岡県出身。専門はイタリア・ルネサンス美術史。九州大学美学美術史学科卒業、同大学大学院人文科学府藝術学修士課程修了。2012年にローマ第一大学美術史学科にて日本人として初となる博士号を取得。東京大学に日本学術振興会特別研究員として在籍中に鹿島美術財団「財団賞」受賞(2013年)。2015年より慶應義塾大学専任講師、2022年より准教授。ローマで出版した単著が2022年にダリア・ボルゲーゼ賞を受賞するなど国際的にも活躍中(アジア人からの選出は初)。また、ママとずっと一緒にいたい5歳児の育児に奮闘中。 https://www.st.keio.ac.jp/education/kyurizukai/docs/42_araki.pdf
Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(2週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。