幕末の兵学者、尊皇思想家であり、また松下村塾で多くの若者を教育したことでも有名な吉田松陰(1830〜1859)は、萩の野山獄で囚人たちと一緒に中国の古典『孟子』の輪読と講義を始めます。その時の記録が『講孟劄記』(『講孟余話』)です。「逆境の中でこそ道(真実の生き方)を求めることができる」という松陰の力強い言葉は、厳しい状況の中で生きる現在の私たちの心に響くものがあります。『孟子』尽心篇の部分を読んでいます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
柴田 篤:九州大学名誉教授 九州大学文学部卒業、同大学院文学研究科修士課程修了。九州大学助手、福岡教育大学助教授を経て、九州大学文学部(中国哲学史講座)教授、同大学院教授。九州大学大学院人文科学研究院長、同人文科学府長、同文学部長等を歴任。現在、九州大学名誉教授。専攻分野は中国哲学史。特に中国近世儒学思想(朱子学・陽明学)及び日本におけるその展開、また明末清初における天主教(カトリック)と中国思想との対話などを研究。著述は、『中村タ斎』(叢書・日本の思想家11、明徳出版社、1983)、『天主実義』訳注(東洋文庫728、平凡社、2004)など。
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