アーレントはドイツ生まれのユダヤ系政治哲学者で、主著『全体主義の起源』『人間の条件』で知られています。「世界」「公と私」「全体主義」をキーワードに、現代のさまざまな問題に立ち向かいました。今年はアーレントの没後50周年。その著書を翻訳で抜粋し、かみ砕いて解説し、社会的文脈を補えば、私たちが今どのような世界に暮らしているかについて深く考えられるように思います。アーレントの思考は、その人生を彩った亡命者の立場、ユダヤ人の境遇、辛くも逃れた全体主義の経験によって、どのような軌跡を描くのでしょうか。(講師・記) 参考書 矢野久美子『ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』(中公新書) 各回テーマ 1)アーレントと移民、難民、亡命者 2)全体主義の起源と流行 3)人間らしい生の条件
有田 英也:成城大学文芸学部教授 1958年山口県生まれ。パリ第4大学(ソルボンヌ)文学部博士課程修了。故郷喪失者の文学に関心を持ってきた。著書『ふたつのナショナリズム ユダヤ系フランス人の「近代」』(みすず書房)は、アーレントの『全体主義の起源1反ユダヤ主義』が発想源のひとつ。訳書にパトリック・モディアノ『エトワール広場/夜のロンド』(作品社)、オリヴィエ・トッド『アルベール・カミュ<ある一生>』(共訳、毎日新聞社)、ジョナサン・リテル『慈しみの女神たち』(共訳、集英社)。
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