これまで日本でほとんど紹介されてこなかったアフリカの哲学の歴史と現状を紹介します。近代以降のアフリカは、西洋の植民地化に苦しめられ、奴隷制や差別と闘うための哲学を形成してきました。アフリカ人たちは、自分たちの哲学が、自分たちのみならず、抑圧者である西洋人も救うものでなければならないと考えてきました。とくに興味深いのは、人間の相互扶助を強調した他者への思いやりとしての人間性「ウブントゥ」の概念や、懲罰や排除ではなく「和解」による関係修復を目指す道徳観です。ここには、生きとし生けるものが支え合うことで個としての生命が育まれるという考え方が含意されています。豊かで新しいアフリカの哲学にご案内します。(講師・記) 【カリキュラム】 2月 西洋哲学における人種差別 3月 アフリカ的発想:時間、真理、心 【2024年10月期のカリキュラム(終了)】 10月 アフリカ哲学の歴史 11月 哲学としての芸術:音楽と詩によるハーレムルネサンス 12月 アパルトヘイトはいかに乗り越えられたか:ウブントゥと和解
河野 哲也:1963年生まれ。立教大学文学部教育学科教授。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程哲学専攻修了。博士(哲学)。専門は、心の哲学、現象学、倫理学、応用倫理学。著書は『問う方法・考える方法』(ちくまプリマー新書)、『間合い 生態学的現象学の探究(知の生態学の冒険 J・J・ギブソンの継承 2)』(東京大学出版会)、『アフリカ哲学全史』(ちくま新書)など。
<テキスト> 河野哲也講師著『アフリカ哲学全史』(ちくま新書) ISBN:978-4-480-07636-6
・2025年1月期よりオンラインのみの開催に変更となります(講師もオンライン)。 Zoomウェビナーを使用したオンライン講座です。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはcb9info@asahiculture.comで承ります。