高句麗・百済・新羅・加耶・渤海など朝鮮半島の古代国家をそれぞれを個別にとりあげる講座で、日本との関係にもふれることがありますが、ここでは日本と朝鮮半島の諸国・諸勢力との関係を中心にすえた、あらたな古代日朝関係史像を描いていきたいと思います。かつて山尾幸久『古代の日朝関係』(塙書房、1989)という好著がありましたが、だいぶ時間もたち、改めるべき点もふえてきています。そのことを意識しながら、古代の日朝関係史の基礎的で入門講座的な内容にしていきたいと思います。 【予定カリキュラム】※変更になる場合がございます。 古代日朝関係史(44)張宝高の交易 1月16日 日本と新羅の交易は、国家的な通交関係における物品の交換の時期を経て、商人による私貿易が始まる。その際に広く交易活動したのは、張宝高(張保臯とも記す)である。唐の節度使のもとで仕えた張宝高は、みずからの交易集団を節度使のような体制にして、清海鎮大使と称した。 古代日朝関係史(45)張宝高の反乱 2月20日 新羅の一地方に拠点を置いて交易で富を得た張宝高は、新羅の王位継承の対立に巻き込まれ、神文王の即位に助力したが、その際のむすめを王妃にするという約束が果たされず反乱を起こした。しかし都に攻め上ったというように見ることはできず、最後も地位を奪おうとした部下に殺された。 古代日朝関係史(46)円仁の入唐と新羅人 3月20日 比叡山の僧侶円仁は、最後の遣唐使となった承和の遣唐使の一員として入唐する。天台山に行くことはかなわなかったが、代わりに五台山に行き、さらに都長安を訪れる。唐の廃仏策のために還俗もするが、9年の苦労を経て帰国した。その日記が世界的に著名な『入唐求法巡礼行記』であり、在唐の新羅人に大きく助けられたことを詳しく述べている。
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