2025年は昭和百年に当たります。この間には敗戦を初め多くの事件が起き、日本は大きな変動を体験しました。小説は社会の鏡でもあります。昭和期に執筆された作品を読むことで新たな発見ができないか。そうした書物の探検をしてみたいと思います。あの小説やあの作品から見えてくるものは何か。担当するのは書評家・杉江松恋と、日本社会に対する鋭い視点で批評家としても活動しておられるマライ・メントラインさんです。マライ・松恋のコンビは〈チームM&M〉として、芥川・直木賞候補作を読む予想対談などでも活動しています。このコンビが昭和小説から何を引き出せるか。ぜひ受講して目撃してください。(杉江講師:記) ### 取り上げる作品 ・戦前 小林多喜二『蟹工船』 ・戦後「第三の新人」 小島信夫『アメリカン・スクール』 ・高度成長期以降の推理小説 松本清張『ゼロの焦点』 小松左京『日本沈没』 ・バブルの時代 田中康夫『なんとなくクリスタル』 などを予定しています。
マライ・ メントライン:マライ・メントライン(翻訳・通訳・執筆) 北ドイツキール出身。ノイエ銀英伝のドイツ語監修から、TV局プロデューサー、映像翻訳、コメンテーター、執筆業や芥川賞・直木賞の受賞作品予測まで、幅広く活躍。2017年8月に処女作『ドイツ語エッセイ 笑うときにも真面目なんです』を出版。その他の著書は『本音で対論! いまどきの「ドイツ」と「日本」』(池上彰と増田ユリヤとの共著)、『まいにちふれるドイツ語手帳2025』など。J-WAVE「Jam the planet」とTOKYO MX「堀潤モーニングFLAG」にレギュラーゲストとして出演中。
杉江 松恋:すぎえ・まつこい 東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒。書評執筆を中心に活動し、古典芸能関連の著書も多い。得意分野はミステリーと大衆文学。本校では小説執筆志望者の背中を押すために「二次予選を通過するエンタメ小説の書き方」講座を担当。著書に『日本の犯罪小説』『芸人本書く派列伝』『浪曲は蘇る』、『ある日うっかりPTA』、『路地裏の迷宮踏査』、『読みだしたら止まらない! 海外ミステリー・マストリード100』『絶滅危惧職、講談師を生きる』(神田伯山と共著)、『100歳で現役! 女性曲師の波瀾万丈人生』(玉川祐子と共著)『鶴女の恩返し』(桃川鶴女と共著)他。 撮影・川口宗道
筆記用具
・Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)は講座の翌週月曜日にマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。 ・教室は変わる場合があります。当日の案内表示をご確認ください。