サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』(原著1981年)を、翻訳と原著を通じて読んでゆきます。この作品はイギリス最高峰の文学賞ブッカー賞を受賞して、その後のイギリス文学の多文化主義を開いた作品として知られています。 インド独立の日(1947年8月15日)に生まれたサリーム・シナイが語る自らの半生には否応なくインドの波乱の歴史が重ね合わせられています。そして、このスケールの大きな物語は他人の心を読み取るテレパシー能力を備えたサリームによる、現実を超える「マジック・リアリズム」とも呼ばれるイマジネーションを通じて魅惑的に描かれます。 本講座では幾多の分岐や脱線を含むこの作品の主題と手法を取りあげながら読み進めていきます。名前は聞いたことあるけれど、まだ読んだことがないという方も、ぜひ一緒にチャレンジしてみましょう。(講師・記)
三村 尚央:みむら・たかひろ 千葉工業大学教授。広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。専門はイギリス文学。カズオ・イシグロなど現代イギリス作家を中心に研究している。また、文学や文化において「記憶」がどのように表現されているのか、という「記憶の文化の研究」にも興味を持ち、著書に『カズオ・イシグロを読む』、『記憶と人文学』、著書に『カズオ・イシグロを読む』、『記憶と人文学』、『「記憶」で読む『鬼滅の刃』』がある。
<テキスト>サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』(上・下)(岩波文庫、2020年)をお求めください。
・Zoomウェビナーを使用した、オンライン講座です。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認下さい。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。