西田幾多郎の『善の研究』は、1911年の出版から百年を過ぎながら、今でも国内外で広く読まれている哲学書です。日本(東洋)の伝統思想に基づきつつ、西洋の哲学・宗教をふまえたその思索は、出版のすぐ後に「明治以後に日本人が書いた最初で唯一の哲学書」と言われました。よく読まれながら、その内容が難解で最後まで通読できないとも言われますが、著者の西田本人は、読者に出来るだけ理解してもらおうと当時としては珍しく哲学書を口語体で書き、ごまかしなく語りかけてきます。この講座では、西田自身が勧めるように難解な第一編「純粋経験」は省略し、第二編「実在」から、可能な限りわかりやすく解説しながらゆっくりと読み進めていきます。(講師・記) @1月23日 考究の始まりの基点(ゼロ・ポイント) A2月27日 意識の立ち現われ(現象)こそが唯一のリアリティ B3月27日 リアルの真の姿は、知よりも情意によって明らかとなる C4月24日 真のリアルにはいつも同一の形式(パターン)がある D5月22日 真のリアルは「一即多、多即一」という根本的なあり方をしている
大熊 玄:おおくま・げん 立教大学社会デザイン研究科教授。石川県西田幾多郎記念哲学館副館長。著書『鈴木大拙の言葉』、『はじめての大拙―鈴木大拙 自然のままに生きていく一〇八の言葉』、『善とは何か―西田幾多郎『善の研究』講義』『実在とは何か―西田幾多郎『善の研究』講義』等。
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