米大統領選では民主党のハリス候補が共和党のトランプ候補に敗北し,米国初の女性大統領誕生とはなりませんでした。一方,英国では今から半世紀ほど前に女性首相が誕生し,現在までに3人の女性が首相を務めています。この3人のうち,最もよく知られているのがマーガレット・サッチャーです。1979年から11年もの長期政権を担当したサッチャー首相は,国内では「確信の政治家」として新自由主義改革の断行により英国経済を刷新し,海外では「鉄の女」として東西冷戦の終結に貢献したと評価されています。しかし,英国ではこうした高い評価もある一方で,貧富の格差を拡大したという批判的な見方も根強くあります。この講座では、サッチャー首相の業績を再検討し,ブレグジット(英国のEU離脱)など現代の政治経済に対する彼女の影響について考えます。(講師:記)
力久 昌幸:同志社大学法学部教授。1963年福岡県生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(法学)。北九州市立大学法学部教授を経て現職。専門分野はイギリス現代政治。主著として,『ブレグジットという激震:混迷するイギリス政治』(スティーブン・デイとの共著,ミネルヴァ書房,2021年),『スコットランドの選択:多層ガヴァナンスと政党政治』(木鐸社,2017年)など。
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