モーリス・ユトリロ(1883-1955)は、女性画家シュザンヌ・ヴァラドンの私生児として生まれた。生活環境が悪く、アルコール依存症にかかったユトリロは、その治療法の一つに、絵画を描くことにする。彼の代表作は、1908年ごろから始まる「白の時代」と呼ばれる作品が多い。確かにモンマルトルにあるサクレクール寺院は白いが、パリの街が全部白い建物であるわけではない。ではなぜ白を使ったのか。一方、モネは、1908年に妻のアリスとともに念願のヴェネツィアへ行く。翌年、再度ヴェネツィアに向かい、アトリエで仕上げたのがヴェネツィアシリーズである。アリスは残念ながら1911年に他界する。「ダ・ムーラ館」はなぜ半分水に浸かっているのか。
武末 祐子:西南学院大学外国語学部教授 西南学院大学文学部外国語学科フランス語専攻教授。西南学院大学卒業。1986年〜1987年、フランス政府給費留学生。1987年、グルノーブル第3大学フランス文学研究科DRS(博士)。1995年、パリ・ソルボンヌ第4大学DEA取得。専門は、フランス19世紀文学。研究テーマはグロテスク美学。著書は『グロテスク・美のイメージ―ドムス・アウレアからフロベールまで』(春風社)など。フランス語教育にも関心があり、論文執筆・発表を行っている。
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