暗渠(あんきょ)とは、川や水路を地下に移したもの。高低差に富む横浜にはたくさんの谷があり、そこに川がありました。しかしその水面は時代とともに失われ、今では多くが「見えない川」となり街に埋もれているのです。本講座では、暗渠の基礎知識、見つけ方・探し方を座学で愉しく学んだ上で、実際に街に出て暗渠を歩きます。これを通じて、横浜のまちが秘めている歴史と横浜の新たな景観を見つける体験をしていただくものです。 今回は、保土ヶ谷区・港北区・神奈川区を暗渠で流れ、東神奈川駅付近で開渠として姿を現す「滝の川」がテーマ。滝の川の痕跡を探すうちに、今まで見過ごしていた横浜の魅力にも気がついた。そんな時間をご提供します。(山英男・記) ※講師のお2人は、「暗渠マニアックス」なるユニットを組み、特定暗渠を深掘りする縦軸(吉村)×多数暗渠を俯瞰する横軸(山)という役割分担で、執筆やトークイベント、展示などを通して日本中の「暗渠目線」を開拓中。著作(全て吉村・山の共著):ユニット名の元となった『暗渠マニアック!』(柏書房)のほか、『暗渠パラダイス!』(朝日新聞出版)、『まち歩きが楽しくなる 水路上観察入門』(KADOKAWA)、『「暗橋」で楽しむ東京さんぽ 暗渠にかかる橋から見る街』(実業之日本社)、『暗渠マニアック!増補版』(ちくま文庫)など。
山 英男:中級暗渠ハンター(自称)。元広告会社のマーケター。分類や分析が大好きで、それを元にフレームワークを作るのが趣味。2009年の6月に突然「自分の心の中にある暗渠」に気づき、以来川や水路の跡に夢中に。Eテレ『趣味どきっ!』、CBC『道との遭遇』などTV番組の出演も多数。
吉村 生:深掘型暗渠研究家。本業の傍ら暗渠探索に勤しみ、暗渠のツアーガイドや講演なども行う。郷土史を中心とした細かい情報を積み重ね、じっくりと掘り下げていく手法で、暗渠の持つものがたりに耳を傾けている。暗渠飲みや暗渠カレー制作も愛好。
◆3月3日は、横浜教室での講義です。 ◆3月10日は、野外観察(現地集合・現地解散)。 ※詳細は初回講義日にご案内します。