この講座では、最新の研究成果をもとに、「神道」の歴史を辿ります。 神道とは、一般的に「日本固有の民族宗教」とされていますが、太古から変わることなく連綿と受け継がれてきたものではありません。在地のカミ信仰が外来の宗教・思想を組み込んで成立した複合的な宗教体系であり、いったん成立した後も歴史のなかで幾多の変貌を遂げてきました。単なる素朴で不変な固有信仰ではないのです。その形成の過程においては、仏教の果たした役割がとりわけ大きく、仏教との融合と反発のなかで展開したと言っても過言ではないほどです。 この講義では、古代から近現代に至る神道の形成と展開の歴史を、神仏習合など仏教との関わりも含め、わかりやすく講義します。(講師・記) 2024年4月開講、全12回。 <各回テーマ>※各回テーマは予定です。変更になる場合もございますので、予めご了承ください。 ■2024年4-6月期(終了) 第1回 イントロダクション―「神道」とは何か 第2回 仏教伝来とカミ信仰 第3回 神祇制度と神話 ■2024年7-9月期(終了) 第4回 本地垂迹説と御霊信仰 第5回 中世神道説と中世神話 第6回 神観念の変容と反本地垂迹説 ■2024年10-12月期(開講中) 第7回 三教一致と吉田神道 第8回 儒家神道と天皇・武家 第9回 和学から国学へ ■2025年1-3月期 第10回 復古神道と水戸学 第11回 神仏分離と「国家神道」 第12回 戦後社会における神道
伊藤 聡:岐阜県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。茨城大学人文社会科学部教授。専門は日本思想史、特に中世神道、神仏習合思想。主な著書に『中世天照大神信仰の研究』法藏館 2011(第34回角川源義賞)、『神道とは何か―神と仏の日本史』中公新書 2012、『神道の形成と中世神話』吉川弘文館 2016、『神道の中世―伊勢神宮・吉田神道・中世日本紀』中公選書 2020、『日本像の起源―つくられる〈日本的なるもの〉』角川選書 2021がある。
・日程にご注意ください。11月は第3週です。 Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはcb9info@asahiculture.comで承ります。