ユダヤ人の伝統的なトーラー学習に範をとって、モーセ五書を読み進めます。 ユダヤ教では、安息日ごとに会堂でトーラーを朗読し、1年でモーセ五書を読み終えるしきたりがあり、それに従って、解釈や説教が行われていますので、それらについても、その都度映像を見たりしながら、解説を加えます。 また、年間の朗読システムに則った註解書も多数出版されており、中でも、わたしが最も影響を受けているY・レイボヴィッツの著書をもとにして読み進めたいと思います。タルムードの伝承のなかにも、聖書の解釈を扱ったものがあり、それらもその都度取り入れます。(講師・記) 2023年10月開講。 <各回テーマ>※各回テーマは予定です。変更になる場合もございますので、予めご了承ください。 ■2023年10-12月期「創世記」(終了) 第1回 天地創造 第2回 アダムとエヴァ 第3回 洪水とバベルの塔 ■2024年1-3月期「創世記」(終了) 第4回 アブラハム物語 第5回 ヤコブ物語 第6回 ヨセフ物語 ■2024年4-6月期「出エジプト記」(終了) 第7回 燃える柴と神の顕現。神の名とは? 第8回 出エジプトと過越祭 第9回 十戒と二つのバージョン ■2024年7-9月期「出エジプト記」(終了) 第10回 民はシナイ契約をためらったのか 第11回 遺失物の返還をめぐる市民法 第12回 聖所の建設と安息日の労働禁止 ■2024年10-12月期「出エジプト記」〜「レビ記」(開講中) 第13回 金の子牛像と真の信仰 第14回 会見の幕屋の完成:レビ記へ続く 第15回 罪と贖罪:アロンの息子の死 ■2025年1-3月期「レビ記」 第16回 穢れと清め 第17回 神聖法典:聖なる民の条件 第18回 父祖の徳と契約:民数記へ ■2025年4-6月期「民数記」 第19回 預言と謙遜:モーセの偉大さ 第20回 約束の地と偵察隊 第21回 会衆分裂の危機:聖性をめぐる2つの見解 ■2025年7-9月期「申命記」 第22回 モーセの告別:申命記の意味付け 第23回 十戒と「シュマアの朗読」 第24回 法典の構成と荒野の40年の意義 ※以降のテーマは未定です。
市川 裕:いちかわ・ひろし 東京大学名誉教授 2019年3月まで東京大学教授(大学院人文社会系研究科・文学部)。名誉教授。専攻は聖書とユダヤ教。大学で法学を学んだ後、宗教学の大学院で旧約聖書を学ぶ。イエス時代以後のユダヤ教に強く惹かれ、エルサレムのヘブライ大学に留学、律法研究に取り組む。生きた宗教の現場を経験するため、現地のシナゴーク(ユダヤ教会堂)で1年間、毎朝の礼拝に出席し、一般庶民の生活の中に深く根ざした宗教の営みに感銘を受ける。帰国後に東洋の宗教を学び直し、思索を深めた結果を、主著の『ユダヤ教の精神構造』(東京大学出版会、増補改訂版2020)にまとめた。他に『ユダヤ人とユダヤ教』岩波新書2019、『ユダヤ教の歴史』山川出版社2009、『ユダヤ的叡智の系譜: タルムード文化論序説』東京大学出版会2022など。
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