「西洋哲学史問答」は、私(斎藤)が聞き手となって、哲学研究の第一人者にインタビュー形式で西洋哲学史を語っていただく講座です。全3回のシリーズで、津崎良典先生、中村隆文先生、石田京子先生のお三方を指南役に迎えました。 この3回の講座では、16世紀以降の近代哲学を取り上げます。とくに今回は、近代哲学のなかでも、あまり馴染みのない切り口から問答を展開したいと思っています。 第1回は、「モラリストとデカルト」と題して、モンテーニュ、パスカルという二人のモラリストの思想とデカルト哲学のあいだの脈絡について、フランス近代哲学のエキスパートである津崎先生に根掘り葉掘り話を伺います。 第2回のテーマは「スコットランド啓蒙」。ヒュームやアダム・スミスを代表とするスコットランド啓蒙思想について、その系譜から現代的な意義まで、英米哲学思想の専門家である中村先生に伺います。中村先生は『物語 スコットランドの歴史』(中公新書)の著者でもありますから、スコットランド愛あふれる講座になる予感大です。 第3回は「カントの法哲学」。カントというと『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』という三批判書が有名ですが、今回は、晩年のカントが『人倫の形而上学』で論じた「法論」を中心に取り上げます。登壇いただく石田京子先生は、日本で数少ない、カントの法哲学の研究者です。これを機会に、一緒にカントの法哲学に入門しましょう。 講座では、基礎的な事柄を押さえながら問答を進めていくので、予備知識がない方も安心して受講ください。インタビューの醍醐味は、脱線やこぼれ話。本音満載の哲学史語りをお楽しみいただければ幸いです。(斎藤哲也さん記) 画像説明:左上から時計まわりに、津崎良典さん、中村隆文さん、斎藤哲也さん、石田京子さん <各回の日程・テーマ・講師・主なトピック> [第1回 1月21日「モラリストとデカルト」(筑波大学教授・津崎良典さん、聞き手:人文ライター・斎藤哲也さん)](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7736612) ・モラリストってどういう人? ・モンテーニュ、デカルト、パスカルそれぞれの神 ・モラリストとしてのデカルト [第2回 2月18日「スコットランド啓蒙」(神奈川大学教授・中村隆文さん、聞き手:人文ライター・斎藤哲也さん)](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7736613) ・スコットランド啓蒙って何? ・イギリス経験論との関連 ・感情論の現代的意義 [第3回 3月18日「カントの法哲学」(慶應義塾大学准教授・石田京子さん、聞き手:人文ライター・斎藤哲也さん)](https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7736614) ・「三批判書」以後のカント ・道徳哲学と法哲学との関係 ・戦争と平和 ※各回ごとの参加も可能です。各回の緑色のテーマ部分を押すとお申込みページをご覧いただけます。
斎藤 哲也:さいとう・てつや 人文ライター 1971年生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。著書に『哲学史入門T・U・V』『試験に出る哲学』シリーズ(NHK出版新書)、監修に『哲学用語図鑑』(プレジデント社)などがある。
津崎 良典:つざき・よしのり 筑波大学人文社会系教授、日本学術会議連携会員 1977年生まれ。専門は、西洋近世哲学史。00年国際基督教大学(ICU)教養学部卒業、02年大阪大学大学院文学研究科修士課程修了、10年パリ第一大学パンテオン=ソルボンヌ校哲学科博士課程修了。哲学博士号取得。著書に、『デカルトの憂鬱』(扶桑社、2020年に新書化して『デカルト 魂の訓練』に改題)、訳書に、デカルト『デカルト全書簡集』第4巻(知泉書館)、ドヴィレール『デカルト』(白水社)、カンブシュネル『デカルトはそんなこと言ってない』(晶文社)などがある。
中村 隆文:なかむら・たかふみ 長崎県出身。千葉大学社会文化科学研究科博士課程終了。博士(文学)。鹿児島高専専任講師、釧路公立大学准教授を経て、現在は神奈川大学国際日本学部教授。専門は、スコットランド啓蒙思想、英米リベラリズム。著書に『なぜあの人と分かり合えないのか』(講談社選書メチエ、2024)、『物語スコットランドの歴史』(中公新書、2022)、『世界がわかる比較思想史入門』(ちくま新書、2021)など。
石田 京子:いしだ・きょうこ 慶應義塾大学文学部人文社会学科倫理学専攻准教授。慶應義塾大学文学研究科哲学・倫理学専攻後期博士課程単位取得退学。博士(哲学)。専門は近代ドイツ倫理思想、とくにカントの実践哲学。著書に『カント 自律と法――理性批判から法哲学へ』(晃洋書房、2019年)、『入門・倫理学の歴史――24人の思想家』(共著、梓出版社、2016年)、『新・カント読本』(共著、法政大学出版局、2018年)、訳書にレザ・モサイェビ編『カントと人権』(法政大学出版局、2022年)。
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