江戸時代には岩佐又兵衛(1578―1650)こそが浮世絵の元祖だと考えられていました。 17世紀の前半には、菱川師宣以降のいわゆる浮世絵よりもよほど浮世絵らしい風俗画が作られました。そういう画を描き始めたのが又兵衛だとされたのです。彼が古典的な主題のパロディを作る手腕も浮世絵師の先達といえるのですが、今回そちらは割愛し、活力に富みかつ卑俗な風俗描写を見せる3件の屛風絵を中心に、浮世絵の胎動のさまを探ります。(講師・記) 【スケジュール】※状況により変更することもございます。 第1回(1/25) 岩佐又兵衛とその時代 第2回(2/22) 舟木本「洛中洛外図」――浮世又兵衛の登場 第3回(3/22) 浮世絵の方へ――「豊国祭礼図」と「花見遊楽図」 画像:舟木本「洛中洛外図」右隻部分(東京国立博物館、講師撮影)
佐藤 康宏:東京大学名誉教授 1955年生まれ。東京大学文学部美術史学専修課程卒業。同大学院修士課程修了。東京国立博物館、文化庁を経て、2020年3月まで東京大学文学部教授。専門は日本美術史。著書に『伊藤若冲』(東京美術、2011年)、『日本美術史』(放送大学教育振興会、2014年)、『湯女図』(ちくま学芸文庫、2017年)、『絵は語り始めるだろうか』(羽鳥書店、2018年)、『若冲伝』(河出書房新社、2019年)、『若冲の世紀』(東京大学出版会、2022年)など。
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