浄土真宗の開祖・親鸞と、その弟子顕智上人が果たした役割を通じて、中世仏教社会における聖典形成の形と意義を学びます。顕智は親鸞の書簡や教えをまとめ、書写し、信者へ広める活動を展開し、「高田門徒」と呼ばれる信者ネットワークの基盤を築きました。講座では、顕智が選び抜いた親鸞の手紙などの著作をもとに、浄土真宗の教えや仏教文化がどのように民衆の間に定着し、現代まで受け継がれているかを紐解きます。キリスト教の福音書との相違点も取り上げますので、仏教だけでなく信仰や関心がある方におすすめします。(講師記)
ブライアン・ルパート:Brian Ruppert 神奈川大学教授 米国オハイオ州生まれ。プリンストン大学宗教学博士課程修了、宗教学博士。現在、神奈川大学国際日本学部国際文化交流学科教授。日本仏教綜合研究学会評議員、Japanese Journal of Religious Studies 評議員。かつてベイツ大学平沢日本学教授(Hirasawa Professor of Japanese Studies)を務め、全米アジア研究協会年次総会の選定評議員にも選出された。 主な研究業績に、『灰の中の宝珠―日本中世前期の仏舎利と権力―』(英題: Jewel in the Ashes: Buddha Relics and Power in Early Medieval Japan、ハーバード大学出版会)、論文「日本中世のネットワーク僧と唱導聖教の伝播」(松尾恒一編『東アジアの宗教文化―越境と変容―』、岩田書院)、「顕智の聖教撰述と継承―親鸞との関係、高田門徒のネットワークと教化を通して―」(今井雅晴編『東国にいる親鸞〜800年目の浄土真宗文化〜』、自照社)、共著『日本仏教文化史』(英題: A Cultural History of Japanese Buddhism、ワイリー・ブラックウェル社)などがある。
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