漆はその歴史と技術の深さから、非常に魅力的な素材です。縄文時代からの伝統を受け継ぎ、室町〜江戸時代に確立された技法は現代でも多くの人々に愛されています。漆は金継ぎと同様、壊れたものを修復することで新たな価値を見出す素晴らしい文化であり、サステナブルな観点からも再利用や修復が可能なため環境にやさしい素材です。 講座ではお手持ちの木製漆器の修復や乾漆漆器づくりを行います。艶がなくなったものや輪染みは簡単に蘇ります。また、和紙を使ったオリジナルの乾漆漆器づくりは、創造性を発揮できる楽しい内容です。
宮 洋子:文化財修復家 2000年 東京芸術大学大学院美術研究科後期博士後期課程芸術学保存修復技術修了。博士(美術)博美第82号。東京芸術大学大学院美術研究科文化財保存学保存修復彫刻研究室講師(修復実習担当)、実践女子大学講師(博物館学課程文化財学担当)を経て、現在、東京国立博物館内漆工修理室非常勤・多摩美術大学共通教育学、玉川大学芸術学部の講師を務める。文化財修復家と彫刻家としても活動する。百貨店等で個展を多数開催。二科展特選、東京芸術大学修了展サロンドプランタン賞。
修復したい木製漆器、または直したいものがない場合は和紙製器を購入の後、漆を塗って仕上げます。※器はコップ・皿など好きなものを選べます。WASARAの器を使用予定。 作業途中のものが入る蓋付きタッパー、耐水ペーパー#240〜#2000、下敷き、テレピンまたは無水エタノール、ティシュ、カッター、綿棒、竹串など。
教材セット(生漆等)5,500円。当日教材カウンターで販売します(現金のみ)。 ※天然の漆を使用しますので、かぶれる場合があります。ご注意ください。