渡辺直己、宮柊二、米川稔。 兵士として軍医として前線で戦った三人の歌人の戦地詠を取り上げます。 戦争を詠むということ。それは戦時下に生きる人々の日々の、心の記録であると言えます。 一方で、作品に書き残されたことのすべてを事実として受けとっていいのだろうか、という疑問も浮かびます。 短歌は事実を詠うものではなく、心の真実を詠うものであるとするのなら、私たちは戦争詠をどのように読むべきか。 彼らの残した短歌の歴史記録的な側面以外の意義を、掘り下げていけたらと考えています。(講師:記) 血糊つきしガーゼいくつか棄てられし草原はいつか赤く素枯れぬ 渡辺直己 ひきよせて寄り添ふごとく刺(さ)ししかば声も立てなくくづをれて伏す 宮柊二 敵六十機いま来向ふと聴く空の昆虫の遊びたまゆらかなし 米川稔
小島 なお:1986年東京生まれ。2004年角川短歌賞受賞。2007年、コスモス短歌会入会。歌集『乱反射』(現代短歌新人賞、駿河梅花文学賞)、『サリンジャーは死んでしまった』、『展開図』。2016年度、2020年度「NHK短歌選者」。https://kojimanao.jimdofree.com/
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