★3月21日休講。補講日は決まり次第ご案内します。(4月の日程は仮です) 報道はときに社会を大きく動かします。竹下登政権の崩壊につながった1980年代後半のリクルート事件報道を記憶している人は多いでしょう。近年では医学部・医科大学の入試で女性を差別していた不正入試や、障害者ら2万人以上が強制不妊手術を受けた旧・優生保護法下の実態なども報道によって明るみに出ました。これらは当局者の発表を半ばそのまま伝えるだけの「発表報道」と区別し、「調査報道」と呼ばれます。調査報道がなければ、いまも埋もれたままになっていた出来事はたくさんあるに違いありません。調査報道の戦後史をたどりながら、報道の本来の役割とは何かを学びます。(講師・記) ●各回予定 (1)調査報道という言葉も誕生していない時代 GHQによる検閲があった時代を経て高度成長へ。独自取材の源流と展開をお話します ・終戦直後の潜入取材 ・神風タクシールポ、交通戦争を始めて取り上げた ・毎日新聞の金字塔「ミドリ十字事件」ほか (2)朝日新聞「山本博記者」の仕事 調査報道が花開いたのは、1970年代の米国。それは日本にも少なからぬ影響を与えました。 ・山本博記者とは? 私とのインタビュー記録から ・公費天国キャンペーン ・リクルート事件報道 ・米新聞のペンタゴン・ペーパーズとウォーターゲート事件 (3)平成から令和へ 社会を実際に動かす力がある調査報道。テレビ局や地方紙の実例の数々も含め、報道の役割を考えます。 ・テレビの調査報道 ・旧石器捏造事件の衝撃(毎日新聞) ・医学部入試、女子差別事件(読売新聞) ・「東京目線」では気づかぬ地方紙の力
高田 昌幸:(たかだ まさゆき)東京都市大学メディア情報学部教授/放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会委員長代行/調査報道グループ「フロントラインプレス」代表。1960 年高知県生まれ。法政大学卒。86年、北海道新聞社入社。経済部、社会部、東京政治経済部、報道本部次長、ロンドン支局長などで記者。2012〜17年、高知新聞社で記者。「北海道庁の公費乱用」で新聞協会賞、日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞奨励賞など受賞、「北海道警察の裏金問題」で新聞協会賞、菊池寛賞、JCJ大賞など受賞。著書・共著に『権力VS調査報道』『権力に迫る「調査報道」』『真実 新聞が警察に跪いた日』など。
・Vimeoを使用した、教室でもオンラインでも受講できる自由選択講座です(講師は教室)。見逃し配信(1週間限定)はマイページにアップします。各自ご確認ください。お問合せはasaculonline001@asahiculture.comで承ります。 ・教室は当日の案内をご確認ください。